倍速視聴が当たり前になり、あらゆるコンテンツが効率化される令和の社会。しかし、音楽の世界では全く逆の現象が起きている。イントロを飛ばさず、歌詞カードをじっと見つめ、ただただ曲の世界観に浸る時間が、贅沢な「チルタイム」として再評価されているのだ。
タイパ(タイムパフォーマンス)を求める一方で、感情のコスパは求めたくない。そんな矛盾した心理が、リスナーをエモーショナルなラブソングへと向かわせる。傷つくことを恐れる若者たちが、音楽の中だけで許される「疑似失恋」や「過剰なまでの片思い」に身を投じている。