タッタを演じた俳優・渡辺佑太朗の演技力に対する評価も、ここにきて再燃している。チシヤのような天才でもなく、カルベのような武闘派でもない。タッタは、どこにでもいる「持たざる若者」だった。頼りなく、いつも怯え、それでも土壇場で誰かのために手を差し伸べられる優しさ。
渡辺は、その「普通さ」をリアルに表現した。猫背の立ち姿、揺れる視線、そして最期の瞬間に見せた、すべてをやり遂げたような穏やかな表情。視聴者が彼に感情移入したのは、彼が私たち自身に最も近い存在だったからだ。超人だらけの「今際の国」において、彼の存在は唯一無二のオアシスであり、同時に最も残酷な現実を突きつける存在でもあった。