そもそも、日本の1万円札の歴史において、肖像画として採用された人物はそれほど多くない。初代は1958年に登場した聖徳太子である。聖徳太子は長らく「お札の代名詞」として愛され、高度経済成長期の日本を支えた象徴でもあった。
その後、1984年に福沢諭吉へとバトンタッチされ、そして現在の渋沢栄一へと至る。わずか3人しか存在しない1万円札の肖像画たち。彼らに共通するのは、日本の教育、学問、経済の基盤を築き上げたという圧倒的な功績だ。お札の顔の変遷は、そのまま日本が歩んできた近代化の歴史そのものと言えるだろう。