四駆ファンやミリタリー愛好家の間で、定期的にSNSやネット掲示板を賑わせるのが「自衛隊の軽装甲機動車が払い下げで民間へ出回るのではないか」「個人所有して公道を走ることはできるのか」という疑問です。無骨なデザインと高い走破性を持つライトアーマーを自家用車として乗り回したいという憧れは根強いものがあります。
結論から申し上げると、自衛隊の軽装甲機動車が民間へ実動状態で払い下げられ、一般人が個人所有することは100%不可能です。これには極めて強固な法的・制度的根拠が存在します。
第一に、防衛省の管理規定において、自衛隊の装甲車両や武器類は用途廃止(廃車)となった際、フレームや装甲板をガスバーナーで細かく裁断し、完全に原形を留めないスクラップ(鉄くず)として処分することが厳格に義務付けられています。軍事転用や武装勢力への流出を防ぐため、車体そのままの転売は固く禁じられているのです。
第二に、道路運送車両法や保安基準の壁です。全幅や灯火類、衝突安全性、さらには窓ガラスの視認性(防弾ガラスの透過率や非常脱出機構)など、一般ナンバーを取得するための基準をそのままクリアすることは困難です。国内で「装甲車を個人所有している」と話題になるケースは、海外から民生用として輸入された装輪車(旧ソ連製BRDMや英軍の旧式スカウトカーなど)を正規通関・改造登録したものであり、自衛隊のLAVが公道ナンバーを取得した例は過去に一件たりとも存在しません。