ネット上の野球掲示板や一部の解説では、「大谷翔平は長打を狙うあまり、インコースを強引に引っ張る悪癖が出ているのではないか」「シフトや変化球で外に逃げるボールを振らされている」といった懸念が散見されます。しかし、これは公開データを無視した明らかな誤解です。
トラッキングデータをつぶさに分析すると、今季の本塁打のうち約35%は中堅から逆方向(レフト側)へ放たれています。かつてのように外角球を強引に巻き込むのではなく、球の軌道に合わせてセンター奥深くまで押し込むスイング軌道が確立されているためです。
また、「好不調の波が激しい」というイメージも、打席ごとの結果だけに目を奪われた短絡的な見方といえます。選球眼の指標であるO-Swing%(ボールゾーンの球を振る割合)は年々改善されており、四球での出塁を積み重ねることで、スランプに見える期間でも確実にチームの得点期待値を押し上げています。「打てない日は何もしない」のではなく、「打てない日でも塁に出てプレッシャーをかける」スタイルへと進化を遂げているのが現在の姿です。