館内の階段を上がり大広間に足を踏み入れると、そこには別世界が広がる。館内劇場の「小江戸座」だ。ここでは月替わりで全国から選りすぐりの劇団が招かれ、毎日昼夜の2回、本格的な大衆演劇が繰り広げられている。煌びやかな着物をまとった役者が舞台狭しと舞い、客席からは割れんばかりの拍手とおひねりが飛ぶ。観客と役者の距離が信じられないほど近く、視線が交差するたびに客席が湧き上がる臨場感は圧巻だ。
公演日程は基本的に昼の部と夜の部に分かれており、宿泊者だけでなく日帰り入浴客も気軽に観覧できるシステムが整っている。演目は時代劇の芝居から歌謡舞踊ショーまで幅広く、日によって構成が変わるため連泊しても飽きることがない。かつて日本の宿場町で愛された芝居小屋の文化が、ここでは現代の息吹を伴って呼吸を続けている。