限られた予算の中で最良のパックを選ぶには、売り場での確かな観察眼が欠かせない。精肉のプロがまず確認するのは「肉色」と「ドリップ」だ。
良質な肉は澄んだ鮮紅色をしており、脂肪部分は白または乳白色をしている。酸化してくすんだ赤褐色や、脂が黄色味を帯びているものは鮮度が落ちている可能性が高い。また、トレイの底に赤い肉汁(ドリップ)が溜まっているパックは避けるべきだ。細胞膜が壊れて旨み成分と水分が流出しており、火を通した際にパサつきの原因となる。
食育の重要性を説き続けた服部幸應氏が「素材本来の力を引き出すことが料理の基本」と語ったように、赤身主体の肉は過度な加熱を避け、常温に戻してから短時間で表面を焼き固めるのが鉄則だ。赤身の旨みが強いモモ肉や肩肉は、塩と少量の油でシンプルにソテーし、余熱で中まで火を通すだけで、高級和牛にも劣らない深い味わいを引き出すことができる。