『鬼滅の刃』屈指の人気コンビとされる「童猗窩」ですが、公式における実態は「猗窩座による徹底した拒絶と生理的嫌悪」です。なぜ猗窩座はここまで童磨を嫌うのか。原作描写および『鬼滅の刃 公式ファンブック 鬼殺隊見聞録』の記述を統合すると、童磨 猗窩座 嫌いな理由には明確な3つの構造的要因が存在します。
第1の要因は、「後輩鬼による序列の追い越し」という屈辱です。猗窩座は人間時代、江戸時代(慶応年間以前)に鬼舞辻無惨と出会い鬼化しました。一方の童磨は明治時代初期に鬼となっています。つまり鬼としての歴は猗窩座のほうが100年以上先輩です。しかし、驚異的な成長速度と捕食量によって童磨は先に「上弦の弐」へと上り詰め、猗窩座を飛び越えていきました。武道家として強さのみを求めて鍛錬を重ねてきた猗窩座にとって、後から来た享楽的な男に出し抜かれた事実は、プライドを大きく傷つけるものでした。
第2の要因は、「女性を捕食するか否か」という捕食哲学の決定的な乖離です。猗窩座は鬼でありながら「女は喰わない、殺さない」という確固たる不可侵の誓いを貫いています(これには人間時代の婚約者・恋雪への無意識の想いが関係しています)。対照的に童磨は「女性は胎内で子供を育てるため栄養分が豊富」という極めて合理的な理由から、女性を好んで大量に捕食します。猗窩座から見れば、童磨の行動は自身の美学を土足で踏みにじる卑劣な行為に他なりません。
第3の要因は、童磨の「感情の欠落」と「欺瞞に満ちた馴れ馴れしさ」です。童磨は生まれつき喜怒哀楽の感情を持ち合わせておらず、他者とのコミュニケーションはすべて「人間らしい仕草の模倣」に過ぎません。心にもない「猗窩座殿は俺の親友」「仲良くしようよ」といった空疎な言葉を投げかけてくる童磨に対し、純粋に武の極致を目指す実直な猗窩座は、本能的な嫌悪感を抱かざるを得ないのです。