私生活においては、日本を代表する名優・柄本明の妻として、長年にわたり互いを高め合う唯一無二の関係を築き上げた。二人は夫婦であり、最大の同志であり、同時に最もシビアな批評家同士でもあった。
自宅の居間であっても、演技の解釈や舞台の方向性を巡って熱い議論が交わされたという。役者としての互いのプライドを尊重しつつも、表現の嘘や甘えに対しては容赦なく本音をぶつけ合った。夫が壁に突き当たれば静かに寄り添い、自らが役に悩む時には夫の洞察に耳を傾ける。二人が作った家庭環境は、演劇への純粋な情熱が常にはじける特別な空間だった。