完全生放送の現場であった新宿スタジオアルタでは、31年半の間に幾度となく予期せぬトラブルやハプニングが発生しました。しかし、それらが大事故として破綻しなかったのは、タモリという稀代の司会者が持つ驚異的な胆力とアドリブ処理能力のおかげでした。
テレフォンショッキングでは、電話番号の間違いで一般家庭に繋がってしまったり、相手が留守番電話だったりする事態が頻発しました。そんな時でもタモリは「あ、留守電ですね。じゃあメッセージ入れときますか」と笑いに変え、気まずい沈黙を一切生じさせませんでした。
また、観客席からの不審者の乱入未遂や、生放送中に一般人が突如大声を上げるような緊迫した場面でも、タモリは決して声を荒らげたり取り乱したりすることはありませんでした。相手の目を見つめながら「はいはい、ありがとうね」と受け流し、何事もなかったかのように進行へ戻すその姿は、関係者の間で「神業」と称賛されていました。