彼の原点を語る上で欠かせないのが、1980年代前半に渋谷の歩行者天国を揺るがしたパフォーマンス集団「一世風靡セピア」だ。黒いスーツに身を包み、汗を撒き散らしながらタップを踏み、叫ぶ。熱気と野心が交錯するあの路上こそが、表現者としての強靭な足腰を育んだ現場だった。
世間からの好奇の目や若さゆえの挫折感を抱えながらも、彼らは自らの表現を磨き続けた。グループ解散後、多くのメンバーが芸能界の海へと散っていく中で、彼は「演じること」に自らの命運を賭けた。路上で培った鋭い野生の勘と、観客の心を一瞬で掴む表現力。それらはのちに本格的な俳優へと転身した際、強烈な武器となった。